中東へ留学する学生の特徴
(引き続きニューヨーク・タイムズの記事より紹介)カイロアメリカン大学で学長を務めるリサ・アンダーソン氏によると、7,000人程の学生数に占めるアメリカの学生は、9・11のアメリカ同時多発テロ事件前は毎年50~75人ほどだったが、今では学期毎に350人前後に増えているという。アンダーソン学長は指摘する。
しかし、理解しなくてはならないのは、彼らはフランスでバイクツーリングに出かけるような若者たちと同じではないということなんです。彼らの多くは、中東諸国で専門的な仕事に就くことを考えており、おそらく外交官やNGOのスタッフなどでしょうが。世界でこの地域のことをとても真剣に考えているのです。
エジプト留学したある学生
昨年カイロアメリカン大学で学んだ、プリンストン大学4年生のアレックス・トンプソンさんは、アンダーソン学長が指摘したまさに典型的な学生のひとりである。彼はイスラエルやパレスチナなど紛争地域の子どもたちを招待して米メイン州で行われる「シーズ・オブ・ピース」のサマーキャンプに高校生の頃に参加したことをきっかけに中東諸国への関心が深まったという。トンプソンさんは当時を振り返る。
その時に中東紛争についてもっと学びたい、中東で暮らしてみたいと思いました。
将来はイスラム金融の仕事を希望しており、エジプト留学中は休日には友人たちと旅をして回り、トルコからイラクまでタクシーで旅行したこともあるという。
中東留学を経験して
中東留学を経験したアメリカの若者たちは、中東地域に対する考え方がすっかり変わったという。アメリカン大学で学ぶキャスリン・バクスターさんは言う。
中東に関するニュースを聞いても、もう片寄った見方はしないでしょう。
最後に、エジプト留学を経験したアンナ・オルトマンさんのコメントを紹介しよう。
良くも悪くも、9・11はアメリカの私たちの世代と中東の同世代の人々を結び付けています。私たちは彼らのことを理解する必要があるんです。
NY Times
http://www.nytimes.com/2010/08/08/fashion/08Abroad.html?_r=2&scp=1&sq=%22study%20abroad%22&st=cseThe American University in Cairo
http://www.aucegypt.edu/Pages/default.aspx