きっかけは殺人未遂事件
オーストラリアのメルボルンで起こった殺人未遂事件がきっかけで、今年の初めオーストラリア政府は留学背ビザの発行を制限すると発表した。盛り上がっていたオーストラリアの留学生ビジネスの陰で一体何が起こっていたのか。ニュースサイト
FT.comが謎に迫っている。
【image】geoftheref's photostreamインド人留学生がアルバイト先で働いているところを刃物で襲われ重傷を負った事件がきっかけでオーストラリアの各大学が留学ビザを約20%減らす事態になっている。その20%の内訳で最も多いのがインド人留学生で70~80%にも上る。
留学生に頼りすぎた事実
これをエコノミストらが計算したとろ$1.90億の経済的損失になるという。1980年代の初頭には教育分野はまだ未発展だったものの、1982~2008年にかけての留学生の受け入れ増加によって急成長してきた。
しかし、留学生に頼りすぎた成長が今オーストラリアの教育産業の首を絞めている。留学生の安全面がおざなりになっていたのがインド人留学生の事件で浮き彫りになった。それに加えて政府の留学生ビザの発行制限が追い打ちをかけ、各国がオーストラリアの留学生ビジネスを真似る中でオーストラリアは留学生の受け入れを減らさなくてはならなくなってしまった。
イギリスやフランスがアジア人(特にインド人や中国人)の留学生を積極的に受け入れ、自国の教育産業を盛り上げようとしている中での政府の決断は各大学にとって受け入れがたい事だったであろう。
FT.comでは留学生ビジネスの盛り上がりで隠れていたマイナスの部分の指摘している。FT.comによると短期間で多くの外国人が入ってくると自然と軋轢が生まれやすくなるという。留学生ビジネスの盛り上がりの陰で留学生の安全面という課題が置き去りにされてきたと指摘している。
この事件をきっかけに様々な良い面、悪い面が見返されることとなるだろう、そしてオーストラリアが留学生ビジネスで成長を見せる日が今後くるにちがいない。
FT.com