民間の留学事業者等66機関で構成される一般社団法人海外留学協議会(JAOS)は、2017年8月にJAOS会員である留学事業者40社を対象に日本人の留学生数の調査、「一般社団法人海外留学協議会(JAOS)による日本人留学生数調査2017」を実施した。
その結果、2016年1年間のJAOS加盟の留学事業者40社の年間留学生数は約8万人(79,123人)であることが明らかになり、他調査と合算すると日本人の留学生数は20万人超と推測できることが明らかになった。
欧米圏のシェアは大きい。アジアのシェアも17%強
北米、ヨーロッパ、オセアニアの留学国が全体シェアの80%強を占め、引き続き留学地として不動の人気を誇る。一方で、フィリピンやシンガポール、中国、韓国、台湾などのアジアのシェアが17%強もあり、アジアで学ぶ日本人も一定数いることが伺えるとしている。
単体では近年留学先として人気を博しているフィリピンがニュージーランドを抜いて、アメリカ、オーストラリア、カナダ、イギリスに次ぐ5番目の留学渡航先となる。
中高生のシェアが全体の19.2%を占める
2020年の大学入試改革の中で、英語教育は劇的変化の中にあり、中学・高校の英語教育も見直しが進んでいる。
特に「なぜ語学を学ぶ必要があるのか?」という動機づけを海外留学の中で培える部分と、日本国内では難しいスピーキングのレッスンを実践的に積むことができる部分が評価されていると伺えるとしている。
2020年の大学入試改革を見据えた留学生の若年化進む
22020年の英語入試改革に向けて留学生の若年化が進むという。具体的には親子留学、中高生の留学は躍進していくと推測できる。また、小学生の英語教育も変化の中にあるため、今後は小学生の留学も増えていくと思われる。
2020年の英語入試改革の中で、英検、TOEFL、IELTSなどの外部試験も利用される可能性は高い。高校生のグローバルに通じる英語力が向上し、そのまま海外出願も可能なスコアを持つ学生も増加していく。2020年前後において、日本国内の大学のみではなく、海外の大学進学を志す高校生が増加していくことと推測できる。
社会人留学も増加
日本企業のグローバル化に伴い、ビジネスにおいて実践で使える英語コミュニケーションは強く求められており、企業の研修などで海外留学へ渡航する社会人も増えている。
また、20代および30代のキャリア志向の社会人を中心に有給休暇を使用した1-2週間の短期留学も増えているが、転職タイミングに今後のキャリアやライフスタイルを考えて留学を選択する社会人も増えている。
海外志向が元々無かった層も、観光インバウンド需要により日本国内に外国人が増え、観光業・サービス業を中心に語学留学のニーズは一層伸びていくであろうとしている。(慶尾六郎)