増加の一途をたどる中国人留学生
グローバル化社会が進む中、英語を母国語としない人たちは、必死でその習得につとめている。
とくに、その傾向が顕著なのは中国で、なかでも1990年代以降に生まれた若者『90后』たちの勢いが止まらない。
中国教育部傘下のウェブサイト『中国教育在線』によると、
「中国の海外留学者数は、2008年は前年比24%増の17万9800人、2009年は同28%増の22万9300人、2010年は同24%増の28万4700人と年々増加し、2011年は19%約33万9700人が
国外へ出た」
という。
そのうち奨学金などを受けて留学する人の数はごく一部で、9割以上の人は自費留学だそうだ。
人気の留学先としては、1位は米国、そしてその後に英国、カナダ、オーストラリアと英語圏が続く。
就職に強い留学経験者「海亀」
日本や韓国も「受験戦争」は厳しいが、中国はさらにそのうえをいく。
そのため、子どもをそうした環境から離れさせるために、留学させる親も増えているという。
しかし、「留学」の一番の理由は「就職」のため。
厳しい受験戦争を勝ち抜いても、留学をせずに国内にとどまり続けた学生は就職活動で負け組となってしまうため、海外留学へ「行かざるをえない」そうだ。
JCASTモノウォッチによると、
「中国では留学帰りの人たちを“海亀”と呼び、国内組を“土鼈(泥亀)”と呼ぶ」
そうだ。
同誌では、
「“海亀”は、海外からの帰国の意味の中国語「海帰」(haigui)と「海亀(haigui)」の発音が同じために名付けられた。」
「一方、“土鼈(泥亀)”は“海亀”の対義語としてできたもので、鼈は「すっぽん」のことで、泥の中に棲息することから「ドロガメ(泥亀)」とも呼ばれる。」
と解説する。
「海亀」となる予定が「コンブ」に?
しかし、なんでも数が増えすぎるといけない。
まだまだ増え続ける中国からの「留学生」であるが、人数が増えすぎて「就職に有利」という利点を失いつつもあるという。
そんな状況をふまえて、次に出て来た言葉は「
海帯(コンブ)」。
同誌はこれについて、
「“海帯(haidai)”は、留学から戻ってまだ職につけない場合を“海待(haidai)”と呼ぶことから、同じ音の海帯(コンブ)にひっかけたもの。」
と説明した。
せっかく高い留学費用を出して留学しても、コンブとなっては水の泡。
しかし、ドロガメではさらにその就職の機会が減ってしまうとだけあってジレンマを生んでいるという。
でもこの状況を良く考えてみると、英語を使いこなせる中国人が「当たり前」の水準となりつつあることを物語っているのでは?
まだその水準まで達していない日本は、うかうかしていると本当に国際社会に置き去りにされかねない。
さらに危機感を持ち、留学に挑んだり、国内にとどまれどもスッポのごとく英語学習に食らいついてもらいたいものである。
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http://www.j-cast.com/mono/2012/06/05134371.html