高まる若者の国内思考
グローバル社会のなかで、日本人の若者の「国内引きこもり思考」が問題視されている。
(Photo:
japan-map-heart By kitmouse)
関心はあるけど、外には出たくない
財団法人日本青少年研究所などが実施した調査で、日本の高校生の5割以上が「留学したいと思わない」と回答したことが明らかになった。
これは、『高校生の生活意識と外国への関心』をテーマとして行われた調査で、日本、米国、中国、韓国の4か国で実施された。
反対に、外国への関心の項目で「外国の人と話をしてみたい」と答えたのは、日本が4か国中最多。
どうして「関心は高い」のに、海外には出たくないのだろうか?
日本は住みやすすぎる?
留学に後ろ向きである理由としては、
「自分の国が暮らしやすいから」
「言葉の壁があるから」
などが挙がっている。また、4割ちかくの学生が、
「面倒だから」
と答えたことも分かった。
「自分の国が暮らしやすいのに、どうして“面倒”な海外留学をしなくてはいけないのか?」といったところだろうか。
外国人も「日本に住みたい」
J-CASTが『日本で就職活動を行っている留学生1100人を対象としたアンケート』によると、「日本で何年くらい働きたいか」という問いに対して、「10年以上」(18.4%)「永住したい」(32.8%)と長期的に日本に住みたいと答えた留学生が半数を超えた。
日本の道路がとても綺麗なことや、日本人の礼儀ただしさ、食事の美味しさなどは、日本へ来た海外からの旅行者にも度々クローズアップされている。
外国人からも評価の高い、日本での暮らし。日本が「住みやすい」国すぎて、若者は「海外へ出たくない」のかもしれない。
若者に危機感を……
しかし、「グローバル」に対応できる力のない日本人が増えることで将来的に国力が弱まり、快適な生活が脅かされる危険をはらんでいる事も認識すべきだ。
「住みにくく」なってから慌てたのでは、遅いのだ。
もちろん、大人たちにも努力が必要だ。年金問題や国の借金の問題は、ひどくなる一方。
年齢の高い人こそ、自分たちのことだけを考えることでなく「次の世代」を考えた決断を示す必要があるのではないか。
日本の未来のためにも、「若者が日本の将来を担っている」と単に口にするだけでなく、「行動」をもって責任感を諭してもらいたい。
編集部
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