イラン人留学生に課せられる制約
(引き続きNYTimesの記事より紹介)米国留学に大志を抱くイラン人学生は、両国間の深刻な外交関係から様々な障害に直面させられている。安全保障上の問題から米国当局による身元調査で学生ビザの取得に何カ月も要することがある。またイラン国内には米国の大使館がないため、申請を行うには他国のアメリカ大使館まで足を運ぶ必要がある。
キプロスで申請の手続きをした Fathiさんの場合、旅費などの経費に5,000ドルかかったという。晴れて入国が許されても自由に行き来できるわけではなく、帰国や他国へ出かける際はもう一度手続きを経る必要がある。
厄介な問題は日々の生活にも存在する。例えば、イランにいる親から米国に留学中の子どもへお金の援助をしたくても銀行振込みを使っての送金はできないのだ。そこでイランの親は工夫を凝らし、イラン国内の仲介者に子どもに渡したい金額と手数料を支払い、米国にいる仲介者の家族から留学生にお金を渡してもらうという。しかしこの方法は手数料が高額なうえ違法性が疑われるとされる。
政府と学生間の溝
イラン政府は優秀な学生に欧州や米国のかわりに中国、ロシア、マレーシアへの留学を勧めている。しかし、イランの学生達は政府の要請よりも米国留学を経験した学友からのアドバイスに耳を傾けるという。オクラホマで学ぶイラン人学生Shariatzadehさんは言う。
イランの学生にとってアメリカという国はとても魅力的に感じるのです。政府のプロパガンダによって作られたアメリカではなく、皆ありのままのアメリカでの生活を体験したがっています。
NY Times
http://www.nytimes.com/2010/08/10/education/10students.html?_r=1&scp=6&sq=%22study%20abroad%22&st=cse