学生たちへ奮起を促す
国際連合でも難民を救うためのコミッショナーとして活躍した緒方貞子さんが、東京大学で行われたシンポジウムで若者たちに奮起を促す講演をした。ニュースサイト
THE JAPAN TIMESがその模様を報じている。
【image】World Economic Forum's photostream生き残るために海外に目を向ける
東京大学の濱田純一大学総長も出席したこのシンポジウムで緒方貞子さんは海外へ目を向けることの重要性を160人の若者達の前で説いた。緒方さんは現在Japan International Cooperation Agency(JICA)の代表を務めていて日本社会の発展に貢献している。
日本が中国に抜かれ、国内総生産(GDP)が世界第3位になったことにも触れて、世界に目を向けなければならないと言葉を強めた。自身の国際連合での活動を含め、外国語が使えると使えないとでは情報の量やコミュニケーションの際に相当の差が出るとし外国語(特に英語)の習得を促した。
濱田大学総長も学生たちに「タフでありボーダレスであれ」とエールを送りこちらも外国に目を向けることの重要性を強調していた。
このシンポジウムでは学生が緒方さんへ質問をするという場面もあった。学生の
国内だけに目を向けることが内向的で悪いことか、日本はアニメという素晴らしい文化を生み出した素晴らしい創造性を育めるのではないのか?
という質問に対し緒方さんは
もちろん国内に目を向けることは悪いことではない。日本は素晴らしい文化を持っている。しかし、それだけでは日本が国際競争で生き残ることはできない。今の日本の現実をしっかり見てほしい。
と答え若者たちに日本の現実をしっかり捉え世界と戦う心構えを持ってほしいと訴えた。
日本から離れて初めて日本の現実がわかるのかもしれない。外から日本を見続けてきた緒方さんの言葉の裏には日本が置かれている状況の深刻さが見え隠れしているようだ。
The Japan Times