ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所(IBS)は公益財団法人AFS 日本協会の協力のもと、長期留学から帰国した高校生3名とオンライン座談会を行い、現地での体験から偏見・差別をなくすための異文化理解について考えた。
日本人留学生が経験した差別
AFS国際本部の追跡調査によれば、異文化理解の妨げとなる偏見や差別を経験した元留学生は少なくないという。
座談会には上杉花梨さん(オランダ・ヘルダーラント州に2019年夏~7カ月間留学)、百武美晴さん(コスタリカ・アラフエラ州に2019年2月~1年間留学)、伊東凛さん(アメリカ・ニュージャージー州に2019年夏~7カ月間)が参加。3人とも18歳。
上杉さんは「アジア人はみんな中国人だと思われているようで、学校内でも、指で目を吊り上げるようにしてアジア人の顔の真似をされたり、通りすがりに『ニイハオ!』と言われたりしました」と振り返った。
高校生のうちに異文化体験をすることでの可能性
さらに高校生だからこそできた異文化体験があると3人はいい主張する。
「大学生みたいに明確な目的をもって外国に行くわけではないので、いろいろなことにチャレンジしていろいろなことを学ぶことができた」(上杉さん)。
「自分の考え方を確立していくいまの時期に、いろいろな人柄や考え方、日本では見られないような自然にふれて、純粋な心で見ることができた」(百武さん)、
同社では、高校生時代の留学は、日本や世界で偏見・差別をなくすためにも、一人の人間として成長するためにも、とても価値のある体験なのではないだろうかと推測している。(慶尾六郎)