株式会社Lincは、ジェネシア・ベンチャーズ、BEENEXTを引受先とする第三者割当増資により、総額1億円の資金調達を実施した。
少子高齢化に伴う中長期的な人材不足に対処
近年、日本における外国人留学生数は右肩上がりで推移しており、アジア圏における日本語学習者だけでも350万人以上存在している。
Lincは、日本社会の少子高齢化に伴う中長期的な人材不足といった課題に対し、優秀な外国人材向けに来日の利便性・効率性を高め、さらには日本で学ぶ、働く機会と喜びを提供することで解決していきたいと考えているという。
Lincは外国人材に対し日本語学習から留学、そして日本におけるキャリアまでワンストップでサポートするだけでなく、日本の社会や文化・マナーに適応し、かつ強く共感できる外国人材の育成に強い使命感を持って取り組んでいる。
中長期では学校・企業と優秀な外国人材をマッチングさせるプラットフォームとなること目指す。
来日外国人材のライフイベントに基づき進学、アルバイト、就職、転職等のサービスを垂直的に展開することで少子化社会と既存の雇用構造にイノベーションを起こしたいと考えているという。
進学Eラーニングサービス「羚課日本留学」をリリース
その第一段階として、来日留学生の中で一番比率の高い中国市場向けに、Linc最初のプロダクトであり、日本初のオンラインに特化した進学Eラーニングサービス「羚課日本留学(羚課はLincの中国語発音)」をリリースした。
サイトでは、日本の大学に進学するために必要な講義動画、練習問題、質疑応答等を一気通貫で提供している。
2017年1月よりサービス提供を開始し、1年で日本全国の50を超える語学学校に在籍する中国人留学生に利用してもらうだけでなく、Live講義の累計視聴者数は10万人を突破した。
今後は、蓄積された学習データを基にマシンラーニング等を通じてよりユーザー個々人に対してよりパーソナライズされた学習システムを提供するだけでなく、当該データに基づき、ユーザーにとって最適な学習プランや進学先をレコメンドできる機能を強化していく。
優秀なAI・データサイエンス関連人材の採用を強化
今回の資金調達により、コンテンツの制作体制、中国・台湾等の中国語圏におけるマーケティングを行う。
そして自社Eラーニングシステムや情報メディアコンテンツにより蓄積されたユーザーの学習・行動・性格・嗜好データに基づき外国人材と日本の学校機関や企業とのマッチング精度を高めるべく、優秀なAI・データサイエンス関連人材の採用を強化していく。
将来的には、対象国を東南アジアの外国人材まで拡大させていく。加えて、Lincのプロダクトを通じて蓄積されたユーザーの各種ライフイベントデータに基づき、日本における外国人材の「信用」をスコアリングできるプラットフォームを構築することを目指す。
外国人材の、日本における「信用」の構築を通じて、日常生活面における利便性を高めることで外国人材がより長期的に日本に滞在しやすい土壌を醸成できればとしている。(慶尾六郎)