成長を続ける「お仏壇のはせがわ」
株式会社はせがわのCMしあわせ少女の「お手てのしわとしわを合わせて幸せ」「なーむー」をご存知の方は多いだろう。
仏壇業界で唯一の上場企業である「はせがわ」は、東日本大震災や写経ブームなどの影響から、増収増益の成長を続ける。
(Photo:
R0010886 By duck75)
「はせがわ」の原動力「長谷川裕一」
その「はせがわ」の会長を務めるのが「信念の男」と呼ばれる長谷川裕一。かつて三井三池で爆発事故が起き、死者を450人も出した大惨事の中80件もの家に仏壇を納めた伝説の男だ。
その後長谷川はありえないと言われた仏壇店のチェーン化などを達成し、さらには仏壇作りを独占していた京都を制覇した。今ではその京都で、国宝修復の仕事をするまでになっている。
「長谷川裕一」のヒストリー
そんな長谷川の両親は体が弱く、長谷川自身も子供時代はお腹が弱かったという。父親は「ほめて育てる」タイプで、長谷川は子供ながらに父にほめられたく何事にも頑張る姿勢が身に付いたようだ。
子供の頃から、お仏壇の仕事は「こんなに尊い仕事はないよ、手を合わせて拝んで頂けるようなありがたい仕事だ」と聞いており、「人が死んだら儲かる」という発想をもたれることをとても嫌っていたという。
そんな環境で育った長谷川は、自然とこの仕事の後を継ぐことを考えており、「早く両親の手伝いをしよう」とずっと思ってきたらしい。
大学時代には、空手部で「感謝の気持ち」の大切さを学び、京都の仏壇屋トップとの面談では仏壇を「商売道具」とてしか見ていないことにショックを受けたという。
そんな長谷川が「長谷川仏具店」に入社したのは昭和63年、大学を卒業した年だ。これまでに培われて来た真摯な気持ちをもっての入社となった。
「信念」と「誠実な心」、そして彼の「熱意」が、これまで会社を成長させ続けてきたのだろう。
世界にも目を向ける「はせがわ」
そんなお仏壇の「はせがわ」は、日本だけではなく世界にも目を向けている。それは「こころの豊かさ」を求める人々の気持ちには、国境など存在しないからだという。
(Photo:
Lotus Pond / 蓮池(はすいけ) / TANAKA Juuyoh (田中十洋))
中国の仏教美術復興事業へ協力をしたり、海外の博物館や国際的な博覧会へのお仏壇やお茶室の出展、世界遺産や国宝・国重要文化財の修復など、これまでさまざまな事業に貢献している。
長谷川は「仏壇は毎日感謝の気持ちを養え、心を豊かにしてくる場」だという。これから海外に飛び出して行く人たちは、そんな会長の言葉を借りて、日本の文化を説明することができるかもしれない。
編集部 鈴木真美
株式会社はせがわ
http://corp.hasegawa-web.jp/カンブリア宮殿
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/長谷川裕一サクセスストーリー
http://www.sminet.jp/success-story/hasegawa/index03.htmlお仏壇はモノではない-業界トップの原動力は「仏壇屋の誇り」
http://j-net21.smrj.go.jp/establish/sougyou/entry/987/20091026.html